宇宙兄弟に学ぶ7つの習慣(第4の習慣の前に)

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今まで、7つの習慣の序章(ベースになる考え方)、第1の習慣、第2の習慣、第3の習慣まで学んできました。ここまでが、「私的成功」を成し遂げるための習慣です。第4の習慣以降は「公的成功」を成し遂げるための習慣です。で、公的成功の前に、ここでもベースになる考え方について学んでいこうと思います。

相互依存のパラダイムとは

第1の習慣から第3の習慣までは私的成功のための習慣であることは先に説明しました。この第1の習慣~第3の習慣を身につけることは、自分自身を「依存」から「自立」へと引き上げることにほかなりません。他の人に依存せず(頼らず、という意味ではない)、一人の人間として自分の足でしっかりと立てるようになることが、私的成功には不可欠というわけですね。

一方、次の第4~第6の習慣は「公的成功」を成し遂げるための習慣です。そして、この3つの習慣を身につけることは、一人の人間として自立した自分から周りの人たちにも目を向け、「相互依存」の状態を作り上げることになります。日本語で相互依存と書くと、馴れ合いのように聞こえますが、原文では「Interdependence」という聞き慣れない単語です。

この単語について、7つの習慣の家元であるフランクリーコヴィー社のサイトでも、訳が非常に難しく、「相互依存」しか日本語として当てはまるものがないという結論に達したと記されています。

「7つの習慣」の目的も含めて注目すべきは、成長の連続体の中の3つの段階です。依存状態から自立状態、自立状態から相互依存状態という日本語です。原著では、「Dependence」「Independence」「Interdependence」です。
 「Dependence」と「Independence」は、日本語で言うところの「依存」と「自立」にぴったり合いますが、「Interdependence」の訳は非常に難しかった。「相互依存」という訳について、読者から「依存という言葉が入っている以上、ニュアンス的にはネガティブな感じがする」と指摘されていました。別の訳はできないかと考えましたが、さまざまな検証の結果、「相互依存」以上の訳を創造することは難しいとの結論になり、現行訳を踏襲しました。

https://7habits.jp/genki/new7h.html

ここでの相互依存はあくまで「効果的な」相互依存であり、決して馴れ合いなどのネガティブなものではありません。人と人がお互いに協調し、高めあっていくことを相互依存であると私は解釈しました。

信頼口座

相互依存のパラダイムを理解する上で欠かせないのが、信頼口座という考え方です。信頼口座とは、簡単に言うと銀行口座のようなものであり、お金の代わりに自分自身の信頼が預けられているものです。

たとえば、他の人に対して礼儀正しく接し、親切にし、約束を守れば信頼口座の残高は増えていきます。逆に、他の人に対して無礼に接したり、不親切にしたり、約束を破ったりすると信頼口座からは引き出しが行われて、残高が減っていきます。

ここで大事なのは、信頼口座の残高は何もしないと毎日の生活の中で少しずつ自動引落が行われていくということです。他の人に対して、普段から積極的に良い働きかけをするようにしておかないと、信頼の残高はどんどん減っていく、ということなのです。このことをしっかり頭に入れて置きましょう。

本書では、信頼口座への預け入れ行為は大きく6つあり、その中でも「相手を理解する」行為がもっとも重要な預け入れであるとされています(相手を理解することは第5の習慣でも学びます)

砂漠での出来事

さて、ここから宇宙兄弟の内容を踏まえて相互依存のパラダイムについて学んでいきましょう。

宇宙飛行士候補生となった主人公ムッタたちがさまざまな訓練に立ち向かっていくシーンは本ブログでもいくつか紹介してきました。

今回は、その中でも最初の訓練、砂漠でのサバイバル訓練での出来事を題材にします。

この訓練は、1チーム6人制で毎日リーダーを変えながら、6日間で70km先のゴール地点まで重い荷物を背負って歩くというものです。そして、ただ単にゴールに辿り着くだけではなく、どれだけ早くゴールにたどり着けるかを競わせる訓練です。そしてこの訓練には、2つの意図があります。1つは宇宙からの帰還時に目的地から大きく外れた場合に生き残るすべを身につけること。そしてもう1つはチームワークを体感し、チームで1つのミッションを手際よくこなすということです。

ムッタと同じチームの仲間に新田というメンバーがいました。ムッタとは宇宙飛行士選抜試験も同じグループで切磋琢磨しあった仲です。ただ、この新田というキャラクターは、順位がつくものについては何よりもトップにこだわり、チーム活動になるとどちらかというと自分の速いペースに周りを合わせさせ、あまり周りを顧みない人物として描かれていました。チームの和を大事にするムッタとはあまりソリが合いません。

その新田が、訓練の5日目の終盤に来て「4日目の場所まで戻る」と言い出したのです。理由は、携帯電話を探すためというものでした。訓練中、携帯電話は監督である先輩飛行士たちに預けられているはずです。新田によると、大事な電話がかかってくる可能性があるので、監督に頼み込んで持たせてもらっていたとのこと。他のみんなは先に進んで、自分ひとりで戻って探すと言い出したわけです。

5日目リーダーのムッタは新田の申し出を却下します。

いつもの冷静風な新田はどこ行ったんだよ。単独行動なんて宇宙飛行士が最初に口にする案じゃねーぞ。

そして全員で先に進むという決定をします。当然なんとか戻らせてほしいと頼む新田。その新田に言った言葉に注目です。

今晩その電話がかかってくるんだよな?だったら・・・着信でチカチカ点滅するはずだろ?夜になってからのほうが見つけやすい。
荷物だって邪魔だろ?
キャンプ地に荷物をおいて夜に2人で探しに行く。まずは2km先で今晩の食料を見つけ出す。今日はそれ以上先へは進まず、その場でテントを張るんだ。

準備ができたら、俺と新田の2人で出発だ。

準備を済ませて2人で戻る時に新田はムッタに聞きます。

なんで・・・俺と戻る気になったんだ?

ソリが合わない2人。新田が疑問に思うのも当然です。ムッタの答えは以下のようなものでした。

これこそ、相手を理解することの構えができていることを明確に示しているシーンです。

ソリが合っても合わなくても関係なく、ただ相手の事情を受け止め、相手の気持ちを理解しようと努めているからこそできる行動です。

このことをきっかけに、新田は自分に弟がいて、長年引きこもってしまっていること、そしてその弟から電話がかかってくるかもしれないことなどをムッタに打ち明けます。新田に対する理解を示したからこそ、新田も心を開いてムッタに対して信頼を示し始めたのです。

ムッタのこのような言動、行動は7つの習慣の観点から言うと、信頼口座にどんどん預け入れを行っていることと同じです。そして、P/PCパラダイム(Performance/Performance Capability:成果と成果を生み出す能力の関係。PCの方に労力をかけるべきであるというのが7つの習慣の考え方)でいうと、目の前の成果よりも成果を生み出すための能力に対して力を入れていることがわかります。

主人公だからムッタが一番フォーカスされますが、ムッタ以外の登場人物もフォーカスがあたったときは、信頼口座への預け入れを行うような言動と行動をしています。ぜひ読んでみてください。

次回は相互依存の最初の習慣、第4の習慣についてまた宇宙兄弟から学んでいこうと思います。

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