親が60歳になったらまずこれを読め

投稿者: | 2019年3月7日

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平均寿命が延びてきている現代にあって、親御さんがご高齢になられている方もいらっしゃるでしょう。今は元気でも、60歳を超えると急激に体力も精神力も落ちます。だから、親御さんが元気なうちに、もしもの時の対策をしておきましょう。

保有資産の把握

私の親は現在2名とも70代。幸いにして健康ですが、私の弟家族が病気で働けないため、毎月に出て行くお金が課題になっていました。最初にやったのは、保有資産の把握と毎年の損益表の作成です。なぜこれを最初にやらなければいけないかというと、将来、何年後にいくらのお金が私たち家族に残されているのかを知る必要があったからです。不幸にもその時に出た計算結果は、「20年後に全ての資産が枯渇する」というものでした。

その対策は以下の記事にまとめたので是非ご覧ください。

さて、話を戻して、私のように差し迫った状況でなくても、親御さんの保有資産はしっかり把握しておく必要があります。なぜなら、認知症にでもなってしまったら何が資産で残されているのか全くわからなくなってしまうからです。是非親御さんが元気なうちに、一度話し合いの場を持ちましょう。深刻な感じではなく、あくまで、この先将来まだ長いから、長い将来を楽しく生きて行くために、資産の情報は明らかにしておこうという感じで。以下のリストを参考にだいたいいくらの資産があるかを算定してみてください。

・土地
・家屋
・店舗
・株や債券
・現金
・預貯金
・ゴルフ会員権
・生命保険
・自動車
・借金(ないほうがいいけど)

現金や預貯金などはわかりやすいですが、土地や家屋は持ち家だった場合には購入した時から資産価値が変動していることがあります。私は友人の公認会計士に頼んで算定してもらいました。このあたりは専門家の力を借りるのが一番です。役所には相続の相談窓口があるはずですから、一度ご相談に行ってみましょう。きっと力になってくれるはずです(実際に算定するならお金はかかります)

相続税の大まかな計算と税金対策

2019年から新しくなった改正相続法が施行されます。一番私達にとって影響が大きいのが、「基礎控除額の大幅引き下げ」です。なんだそれ?という方が多いでしょうから具体的に説明しますね。

今までは
相続の際に税金を払わなければいけない条件は、相続財産の合計額が「5000万円+相続する人×1000万円」を上回る人だけだったんです。

たとえば、父、母、息子二人の場合であれば、

5000万+1000万×3=8000万円

8000万円以上の資産があれば相続税を払わなければいけなかったんですね。

それが、今度から
相続財産の合計額が「3000万円+相続する人×600万円」以上の場合に課税されるようになってしまいました。上記の例で行くと、

3000万+600万×3=4800万

4800万円以上の資産があれば相続税を払わなければいけなくなってしまいました。

なぜこんなことが行われたか。さまざまな理由はありますが、私は国の財政状況がよくないので、相続税を取れる対象を増やすことで国の財源にしようとしている意図があるのだろうと思います。

保有資産の算定で相続税を支払わなければいけないことがわかった場合でも大丈夫です。きちんと対策をとれば税金を大幅に持って行かれることはありません。ここでは簡単なやり方を説明しますね。

暦年贈与

毎年少しずつ、子や孫に贈与税のかからない範囲で資産(お金)を渡して行く方法です。贈与税は年間110万円までは課税されません。ですから、年間110万円をたとえば10年かけて1100万円を子や孫に渡してしまえば、相続財産の額が1100万円減りますから、その分相続税を取られるリスクも減ります。

教育資金贈与で1500万円を一気に非課税で贈与

教育資金に使うためであれば金融機関のサービスを利用することで一括で1,500万円まで贈与することができます。たとえばこれから学費がかかるお孫さんがいる祖父母がこの特例を使って教育資金の援助を行うと1,500万円まで一括で贈与をしても贈与税がかからないためメリットがあります。

暦年贈与と合わせて検討してみてください。

相続のやり方の取り決め

相続税がかかる場合もかからない場合も、どのように相続をするかは親御さんが元気なうちに決めておいた方がよいです。なぜなら、親御さんが亡くなった後に一番揉めるのがここだからです。

私の家族の場合、祖母が亡くなった時にもめました。遺言書を祖母が作成していたのですが、法律に基づいた書式で作成されていなかったために無効となり、記載されていた内容を不服とした叔父と裁判になった結果、負けてしまったのです。

裁判に負けたというよりも、祖母の望みである相続の通りにならなかったこと、それに加えて仲のよかった兄弟が絶縁状態になってしまったことは、亡くなった祖母の望みではなかったと思います。しかし、このような例は私の家族の場合ではなく、人が亡くなった時に必ずと言っていいほど起こっていると葬儀屋の方が教えてくれました。

ですから、親御さんが元気なうちに、どのように相続をするのかを相続する権利のある人たちできちんと取り決めをしておくことは何よりも大事なのです。

遺言書がない場合、まず民法に基づいて法定相続人が決められます。簡単に言うと、遺産をもらえる人とどのくらいの配分比率になるのかが法律によって定められているということです。

被相続人に子がある場合には、子と配偶者が相続人となります。(子が被相続人より先に亡くなっている場合等は、直系卑属(孫・ひ孫等)が相続人となります(=代襲相続)が、まず一番簡単なケースで考えましょう)

たとえば、先に示した例のように 父、母、息子二人 の家庭で、父が亡くなった場合、母と息子二人が相続人になります。相続対象の遺産が3000万円だったとしたら、3000万円の1/2の1500万円を母(妻)が相続し、残りの1500万をさらに1/2にした750万円ずつを息子それぞれが相続する形になります。

民法に定められたとおりの相続とは違う形で相続をしたい場合は、遺言書を作成して、相続の仕方を指定することになります。民法に定められた相続に従う場合でも、たとえば上記のように1500万といっても、現金ではなく、土地だったり家屋だったりするわけです。そうなると、どこから分割するかという面倒な問題が生じます。ですから、なるべくもめることがないように、遺言書は作成しておきましょう。

遺言書の作成

遺言書には3種類あります。公証人役場に出向いて作成してもらう公正証書遺言。自分で作成する自筆証書遺言。そして秘密証書遺言です。それぞれメリット、デメリットがあります。

  概要 メリット デメリット
公正証書遺言 遺言者から直接公証人が遺言の内容を聞き取り、公証人が書面に作成する方式。 内容の不備によって遺言が無効になることや、偽造のおそれがない。 作成費用が10万円以上かかる。
自筆証書遺言 被相続人本人が自分で作成する方式。 費用が掛からない。書き直しなども簡易に行うことができる。 偽造されたり紛失のリスクがある。また、不備などで無効になるリスクもある。
秘密証書遺言 遺言の内容を誰にも知られたくない場合に使われる。本人が作成し署名、押印し、封印後にそれが秘密証書遺言であることを公証人と2人以上の証人に証明してもラう必要がある。 誰にも内容を知られることがない 内容不備で無効になるリスクがある。手続きが面倒。

こちらでは、一番ポピュラーな自筆証書遺言についてご説明しますね。

自筆証書遺言はその名の通り、本人が作成する遺言書です。書き方は簡単ですが法律に定められた要件や形式があり、それらの要件や形式を満たす必要があります。要件や形式に不備があった為に自筆証書遺言が無効になってしまう事例は数多くあり、自分の意思が実行されない事になってしまいます。

たとえば、『自宅は長男に相続させる』などと場所や建物が特定できない記載の場合は遺言書では移転登記ができません。あらためて相続人全員による分割協議が必要となってしまいます。

ですから、必ず「具体的な表現」を使うようにしてください。日付や住所、銀行口座であれば口座番号と名義人名まで、それ以外には解釈の仕様がない具体的な表現です。具体的には以下のような感じです。

遺言書

第1条

 遺言者 ○○(本人名)は、以下の遺言者名義の財産を、△△(YYYY年MM月DD日生)に相続させる。

 1.土地

   所在:○○県○○市○○町○○丁目

   地番:○○番○○

   地名:宅地

   地籍:****平方メートル

 2.自宅

   所在:○○県○○市○○町○○丁目

   家屋番号:****-**

   種類:居宅

   構造:木造スレート葺2階建

   床面積:****平方メートル

第2条

 遺言者は、下記の遺言社名義の預貯金債権を△△(YYYY年MM月DD日生)に相続させる。

 (1)○○銀行○○支店 普通預金 口座番号 *******
 (2)××銀行××支店 普通預金 口座番号 *******
 (3)○○証券 口座番号 ******* 加入者コード *****

第3条

 もしここに記載のない財産が発覚した場合、そのすべては△△(YYYY年MM月DD日生)が相続するものとする

遺言者○○(本人名) は、遺言書の執行者として下記の者を指定する。

   住所:○○県○○市○○町○○丁目

   職業:×××

   遺言執行者名 △△△(誰でもよい)

YYYY年MM月DD日

住所:○○県○○市○○町○○丁目○○番○○

遺言者:○○(本人名)   印

自筆遺言書で注意しなければいけないのは、これをすべて「手書き」しなければいけないことです(財産目録を別に作る場合は、PCでの作成が認められるようになりました)ですので、下書きをして、できたら弁護士の人に一度見てもらいましょう(全部作ってもらうよりも安く済むはずです)。

親が亡くなるときのことなど考えたくないかもしれません。しかし、亡くなっていざ慌て処理すると、必ず良くない結果になります。親御さんが健全なうちに、済ませられることは済ませておきましょう。

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