ソニーのウォークマンを経営理論で分析してみた

投稿者: | 2018年9月10日

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会社の人材育成の一環で書籍の輪読を行っていて、いろいろとよい気づきが得られたので備忘のために書いておきます。

ソニーのウォークマンといえば、一昔前に一世を風靡した製品であることは言うまでもありません。

書籍の中では、ウォークマンがMP3プレーヤー、そしてiPodに負けていくさま、そしてiPodが市場を席巻していくさまを周囲のプレーヤーとの関係を示しながらフレームワーク化して説明していました。これはもう有名な話ですよね。だから、ちょっと違った視点で分析をしてみたいと思います。

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なぜソニーのウォークマンが30年近くも王者たり得たか

ソニーのウォークマンは、実に30年近く「ヘッドホンステレオ」という分野で第一線を走り続けました。私の記憶では、新しい市場を作ってそのまま30年の間トップであり続けた製品はウォークマン以外ありません。

このことについて10名弱で議論したところ、以下のような要因がウォークマンをトップ足らしめたのではないかという意見が出ました。

  1. 音楽を持ち歩くという新しいライフスタイルを提案した
  2. 音楽を持ち歩く概念に対して競合他社は最初疑心暗鬼であり、対応が遅れた
  3. ソニーは強みである電子部品の小型化技術を活用し、カセットプレーヤーの小型化と省力化を実現した
  4. 電子部品の小型化に遅れていた他社は、類似品を開発するのに時間がかかった
  5. 他社が類似品を出す前にソニーは大々的なプロモーションを打ち、「ウォークマン」の名をヘッドホンステレオの代名詞にしてしまった(この間、わずか1年未満)。
  6. 当然、商標権も取得し名前を他社に利用できないようにした。
  7. 他社が類似品を発売するころにはSONYはシェアの大半を占めており、また続けて音質へのこだわりなど、他社がまねできない繊細な領域まで継続的なイノベーション開発を進めた。

カセットテープはどこにでもある商品。このどこでもある商品を活用してライフスタイルまで変革したことに、SONYウォークマンのケースの肝があると思います。

カセットテープ時代以降についての考察

一方、カセットテープ時代以降についても以下のような議論が出ました。

  1. 市場を席巻したSONYは、音質の向上を目指してCDを開発。続けてMDも開発。
  2. 多メディアでの高音質の音楽の利用シーンをすべて席巻しようとした。

そして、デジタル化の進展によってMP3音源が出てきたあたりからウォークマンに陰りが出始めるのですが・・・ここからあとはAppleの独壇場ですね。

ウォークマン開発当時、イノベーションのジレンマに陥っている他社を尻目に独創をしたソニーは、皮肉なことに、ウォークマンにこだわるばかりにイノベーションのジレンマに陥ってしまい、iPodにトップの座を明け渡すことになってしまうわけです。

経営理論でいうとどのあたりの分野か

今回議論した内容は、経営理論でいうと

  1. イノベーションのジレンマ(他社が参入に躊躇した)
  2. 先行者優位と参入障壁の構築
  3. 破壊的イノベーション(音楽を持ち歩くライフスタイルの確立)
  4. 継続的イノベーション(カセットテープからCD,MDへの変遷)
  5. 新規市場の創造(移動中の音楽視聴市場の創造)
  6. プロダクトアウト型市場創造

などが当てはまるかと思います。

仕事柄、マーケティングに関わることも多いので、プロダクトアウトではなくマーケットインこそ正しいと信じている自分ですが、このケースはプロダクトアウト型のイノベーションから新規市場を創造した大変学びの多いケースだと思います。

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