中小企業診断士二次試験対策(読む編)

キャリア

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中小企業診断士の二次試験は、よく「読む・考える・書く」の3つの力を試されていると言われます。

それは、与件や設問を「読み」、設問に対する解答を「考え」、解答欄にわかりやすく「書く」のを80分という短い時間の間で一気にやらないといけないからです。

一次試験から2週間が経過しました。二次試験まであと9週です。これから3週にわたり、読み・考え・書くという3つに分けて対策をお伝えしていこうと思います。

その前提として、初学者と多年度受験生に向けてのはじめの一歩を書いていますので、まだ土台があやふやだという方はこちらから読んでみてください。

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曖昧な言葉を複数の意味で解釈する

まず大前提として頭に入れておかなければいけないことがあります。

それは、「他人の書いた文章は他人の頭の中の考えなので”理解したつもり”にはなれても、本当の理解は難しい」ということです。「は?」と思った方もいらっしゃると思いますので具体例を用いて説明しますね。以下の文章を読んでみてください。

A社が工業団地に移転し操業したことによって、どのような戦略的メリットを生み出したと考えられるか。100字以内で答えよ

平成29年度二次試験事例Ⅰの第3問です。さて、出題者の頭の中では「戦略的」と「メリット」はどのようなものだと考えられているのでしょうか?メリットはまだわかりやすいです。A社にとって嬉しいことですから。しかし一方で、「戦略的」とはどういうことなのでしょうか?そもそも戦略ってなんでしょうか?

企業経営理論で、戦略とは「環境適応のパターン (企業と環境とのかかわり方)を 将来志向的に示す構想であり、企業内の人々の意思決定の指針となるもの」とされています。しかしこれを読んでピンときますか?こないですよね?

二次試験では、経営の観点で助言をすることが求められますので、このような抽象度の高い曖昧な言葉がかなり多く出てきます。このときに、一次試験で学んだ内容を自分なりに咀嚼して、ある程度具体的な内容に落とし込んで考えることが求められます。

私だったらどう考えるかですが、「戦略的メリット」と出てきた場合は、

  • 他社との差別化が図れること
  • 自社の強みを活かせること
  • 自社の弱みを克服できること
  • 他社への参入障壁を築けること

など、複数の可能性をあげておきます。出題者がどのような意図で戦略的と使っているかがわからないからです。与件を読んでから、上記の仮説の中からある程度の当たりをつけて行きます。

抽象度が高く、具体的な意味がよくわからない日本語は他にもたくさんあります。たとえば、

  • 創発的
  • 経営理念
  • ビジョン
  • ミッション

などなど。おそらくみなさんも一回は聞いたことのある言葉だと思います。これらは具体的に何を示しているか、説明できますか?会社づとめをしている方の場合、自社のことであれば具体的に語れるかもしれませんね。しかし、他社のものだとどうでしょう?ホームページを見れば字面はわかるかもしれませんが、その真意はやっぱりわからないと思います。

このように、抽象度の高い言葉は複数の解釈をしておかないと、間違った理解をしてしまうリスクが非常に高いのです。年に一回しかない二次試験で間違いだけは避けたいもの。ぜひ、普段から抽象度の高い日本語を目にしたら、「これは具体的にはどういう事を言っているのだろう?こういうことかな?いや、それともこういうことかな?」などと発想をしてみることが重要です。

複数解釈で設問を読み”込む”

先に書いた複数の解釈を交えて設問を読み込みます。「読む」だけではなく「読み”込む”」ことに注意してください。複数の解釈をすることに加え、与件文にどのようなことが載っていそうかを想像しながら読むのです。だから、ただ読むのではなく、読み込むのだと考えましょう。

具体的にどのように読むかについて説明していきますね。

B社について、現在の(a)自社の強みと(b)競合の状況をそれぞれ60字以内で説明せよ

平成29年度事例Ⅱの第1問です。
読み込むときのコツは、文節で区切ってみることです(高校の古文か何かで習いましたよね?)。上記の設問であれば以下のようになります。

B社に/ついて、/現在の/(a)自社の/強みと/(b)競合の/状況を/それぞれ/60字以内で/説明せよ/

ここで注意すべき言葉と、そこで考えられることは以下のとおりです。

  • 「現在の」
    与件には過去のB社についても述べられている可能性がある。B社の現在と過去を混同しないようにしよう。
  • 自社の/強みと
    強みは競合と比べて顧客に評価されて初めて強みといえる。だから、競合の記載があるはず。また、サービス問題としてあからさまにB社の強みが書いてある場合もある。過去の強みに引っかからないようにしっかり与件から探そう。
  • 競合の/状況を
    競合の記載が与件にあるはず。また、「状況」が何を指すか曖昧で分かりづらい。競合がB社にとってどのような影響を与えるのかをプラス面マイナス面双方から読み解くようにしよう。
  • 60字以内で
    解答欄に書く最初の言葉を「強みは」と「競合の状況は」とすると、強みは2,3個、競合の状況はB社との関係を1,2個書ければ良い。必要なキーワードは与件にあるはずなので抜き出して書こう。
  • 説明せよ
    他の設問が「助言せよ」となっているのに対し、この設問だけ「説明せよ」となっている。他の設問と書き方を変える必要があるが、現在のことを聞かれているので、与件から抜き出す形であると考えられる。

どうでしょうか?設問文一つをとっても、これだけの解釈をすることができるのです。過去問や予備校の答練を繰り返しやりたい気持ちもわかりますが、10月までまだあと2ヶ月近くあります。他の人が過去問を漫然と繰り返しといている中で、地道に他の人と違うやり方で必要な筋肉を鍛えた人にだけ勝利が訪れます。複数の解釈をするのはじわじわと効いてきますので、必ず今の時期から取り組むようにしてください。

SoWhat?で与件を読み”込む”

設問文の複数解釈で様々な可能性が想起できたら、今度は与件を読み込みます。注意してほしいのは、今の時期は過去問を解くのではなく、過去問を利用して読解力を鍛えるトレーニングに集中してほしいということです。ですから、ここで与件を読む際も、設問の解答を作るためではなく、トレーニングのためだと考えてください。したがって、時間を測る必要はありません。自分が納得行くまでじっくりやりましょう。

さて、与件の読み込みに話を戻します。

与件をどのように読み込むかですが、やりかたは簡単です。一文ごとに「So What?(だから何?)」と自分自身に問いかけてください。そして、So What?に対する自分なりの答えを出してから次の文に移りましょう。

具体的にどうやるか、先程の設問と同じ平成29年度の事例Ⅱの与件の一部を使って説明しますね。

B社は資本金1,000万円、社員3名、パート3名の寝具小売業である。

【So What?】
事業規模としては小規模。製造も行っていない純粋小売業なのでコスト要因は仕入原価と人件費が主になると予想される。外部環境の変化によっては将来的に製造小売に参入する可能性もなくはない。

創業以来、地方都市X市の商店街に1階と2階をあわせて300㎡強の売場の1店舗を構えている。

【So What?】
外部環境・内部環境の変化によっては、多店舗展開をする可能性も考えられる。与件のあとの方に、売り場の中で活用されていない部分が出てくる可能性がある。

B社は1955年に現社長の父親が創業し、1970年に現社長とその夫人である副社長が事業を承継した。

【So What?】
事業承継後40年近く経っているため、跡継ぎ問題が出てくる可能性もある。

あくまで、中小企業診断士試験の範囲内(一次試験も含む)での予想ですが、So What?、だから何?という自分への問いによって、一文一文が一体何を言いたいための文章なのかの予想をするのです。もちろん、設問要求に直接関わりがない予想も出てくるかもしれません。しかし8月中旬のこの時期は、基礎固めをすることが一番重要です。じっくり取り組んでみてください。

今回は「読む、読み込む」ことに焦点を絞りました。次回は読み込んだ文章からどのように「考える」のかについて一緒に考えていきましょう。

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