中小企業診断士二次試験対策はじめの一歩(多年度受験生向け)

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中小企業診断士一次試験後初めての土日ですね。
受験生の皆さん、二次試験まであと10週です。平日の過ごし方と土日の過ごし方は決まりましたでしょうか?

複数年に渡って受験をしている方(多年度受験生)と初学者では、これから二次試験までの過ごし方は違います。私は二次試験を3回受験して合格しましたので、今回は多年度受験生に向けて序盤のこの時期に何をやればよいのかをお伝えしていこうと思います。

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過去問を使って80分の時間配分を大まかに把握する

以下の記事でも書きましたように、一次試験終了直後のこの時期にいきなり過去問を解き始めないようにするというのは初学者も多年度受験生も同じです。焦るかもしれませんが、ここは我慢が肝心です。過去問を闇雲に特よりももっと重要なことがあります。

初学者は、この時期に経営の上位概念(経営戦略のフレームワークなど)をしっかり自分の言葉で説明できるようになっておくこと、そして中小企業の事例を要約することをおすすめしました。一方多年度受験生は二次試験の受験経験がありますから、80分をどのように過ごすかのご自身の感覚というものをすでに持っていると思います。このご自身の感覚を、感覚だけではなく可視化してみてください。

私の場合は受験直前は以下のような感じでした。当然、この真似をすればいいというわけではありません。私はわたしの得意領域と苦手領域がありましたので、それぞれを意識して改善していった結果このような形になったのです。

  • 手順1:設問分の解釈
    • 【10分間】
      問題用紙をバラす。段落ごとに区切り線を入れる。その後、設問文の分析をする。制約条件に星印、問われていることに赤線と番号を付け、余白に下書きのための枠線を引く。設問文から解答に入ると予想されるキーワードを余白にメモする。
    • 【1分間】
      分析した設問文と解答の枠組みを俯瞰し、設問分の全体像を頭に叩き込む。設問間に関連がある場合は棒線でつなぐ。どの設問から解くかの順番を決めて番号をふる。
  • 手順2:与件文の解釈
    • 【5分間】
      与件分のキーワードチェックを行う。逆説の接続詞には三角印、時間を示すキーワード(「○○年度」「○年後」など)やその他の接続詞に四角印をつけながら全体を流し読みする(本文の中身はあまり意識せず、印づけに集中する)
  • 手順3:設問文と与件文の紐づけ:紐づけの時点で解答下書きの余白にキーワードをメモする
    • 【17分間】
      与件文の分析。与件文を精読し、想起できる解答のキーワードのメモやマーキングを行う(私は、強みに赤線、弱みに青線、外部環境情報や機会に緑線、経営課題にはオレンジ線と色分けしてマーキングをしていました)。与件文一文ごとにどの設問の解答に使えるかの紐付けを行い、設問番号を与件分の横にふる。用途不要の文には星印をつけておく。設問の難易度を再考し、解答順を再設定する。再度設問分を眺め、与件文にふってある番号と照らし合わせて手順1で作った解答の枠組みとの過不足がないかざっくり確認する。
  • 手順4:下書き作成・解答記述
    • 【15分間】
      手順1で作った解答の枠組みに合わせ、紐付けた与件文を参考にしながら解答の下書きを設問文の余白に記載する(キーワードレベルでOK)
    • 【30分間】
      下書きをベースに、与件文の語句をそのまま使うことに気をつけながら解答欄に解答を清書する。
    • 【2分】
      誤字脱字、汚い文字の修正。余白がある場合はさらに貪欲にキーワードを埋め込む。

解答プロセスを改善するためにはまずは自分がどのような型を持っているかを知る必要があります。そのために必ず可視化を行ってください。

設問の問から回答の枠組みを作るトレーニングをする

先に記載した私の手順の中の手順1で行っていることです。ほとんどの受験生が、試験開始直後に取り組むのが与件を読むことではなく、設問文を読んで解答の枠組みを作ります。なぜこのようなことを最初にやるかというと、解答を最初にイメージして与件を読むのと、何を聞かれているかわからない状態で与件を読むのとでは、答えるべき内容に対するアンテナの反応が全然変わってくるからです。

例えば、平成29年度の事例Ⅱの第1問は以下のような設問でした。

B 社について、現在の a)自社の強みと b)競合の状況をそれぞれ 60 字以内で説明せよ。

この場合、どのような解答の枠組みが想定されるかわかりますでしょうか?私でしたら以下のようにざざっと余白に下書きをします。

重要なのは「現在の」という制約条件ですね。またa)自社の強みは、与件文に書いてあるケースがほとんどなので、与件分から抜き出せばよいでしょう。一方、b)の競合の「状況」という部分がかなり曖昧です。「状況」に何を答えればよいのかよくわからないので、仮置きでa)と同様に競合の強みや弱みを書くと仮置きしておきます。また、60字で解答する必要があることから、自社の強みや競合の状況については2つ程度盛り込めればそこそこ埋められると想定しておきます。

このように、過去問の設問文からどのような解答が予想できるかを日々トレーニングしておきましょう。

毎日の過ごし方を決める

この1週間、予備校や受験生支援団体が主催する二次試験対策セミナーなどに行かれた方もいらっしゃるでしょう。そこで語られた内容に即した対策をするのももちろん良いですが、いちばん大事なのは、平日と土日(休日)にどのような過ごし方をするかを決めておくことです。

私の場合は以下のように決めていました。

  • 朝会社に行くまでの電車の中(1時間程度)
    • 電車に乗っている約1時間の間、設問解釈トレーニングをしました。過去問5年分をB5両面印刷の冊子にしてすぐ開けるようにしておき、設問からどのような解答が予想できるかを考え、実際に上気したようにメモ帳に書き出しました。多面的に解釈を行うようにしていたので、大体1時間をかけてじっくり1年分の設問に取り組みました。
  • オフィスのビルに着いてから(30分程度)
    • オフィスビルに入っているカフェに入り、始業時間までの30分で財務の二次対策問題集(TAC出版)を解いていました。特に注意したのは、自分の苦手分野(私の場合は取替投資など)に重点を絞ることです。一次試験と違って二次試験の事例Ⅳは、ファイナンスが特に重視されます。断片的な知識だけでは解けない設問が多数ありますので、中小企業の設備投資に関する意思決定に関わる設問のパターンを繰り返し解いてどのような設問が出ても動じないようにしていました。
  • 昼休み(30分程度)
    • 財務の過去問のうち、経営分析パートを1時間かけてじっくり解きました。事例Ⅰ~事例Ⅲと同様に、設問解釈を行い、解答の枠組みを作成し、実際に回答を書くまでを行いました。
  • 就業後(3時間程度)
    • 就業後は再度オフィスビルに入っているカフェに入り、過去問を使って解答プロセスの確認を行いました。具体的には、実際に過去問を解いてみて、何にどのように時間がかかっているのかを把握。そのうえで、どこをどう改善すればさらに自分にあった取り組み方ができるかを分析し、解答プロセスに修正を加えていきました。

細切れの時間をうまく利用するようにしていたので、就業後の時間以外はそこまで長くないですが、トータルすると1日4時間~5時間程度と結構な時間を勉強に割いていたことになります。もちろん、二次試験は一次試験と違って勉強時間がものを言うの試験ではありません。コツさえ掴めば勉強時間は短くても合格できます。私の場合は、勉強していないと不安だったということと、解答プロセスの修正・改善にかなり重点をおいてやっていましたので、結果的に一日4~5時間を費すことになりました。

一方で、土日の過ごし方はメリハリを付けるようにしました。当時付き合っていた彼女(今の妻)とは婚約をしていましたので、土日の片方は彼女と過ごすことにし、もう片方で予備校の直前講座に通って平日に作った自分なりの解答プロセスを試し、(点数はあまり気にせず)解答プロセスを改善することに集中しました。

多年度受験生は、自分なりの解答プロセスをある程度決めてどんどん改善していくことがとても重要です。そして、その際に重要なのは、昨年度までの解答プロセスを捨て去る勇気を持つことです。昨年までの解答プロセスは、合格できなかった解答プロセスですから、自分にあっていない可能性があります。ですから、思い切って過去のプロセスは捨てて新しく作り直すぐらいのつもりで取り組んでみてください。

クレアール

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