「下町ロケットがブラックである」に対してコンサル的に反論する

投稿者: | 2019年1月8日

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こんな記事を見つけました。「佃製作所はやっぱりブラック企業」と感じてしまう、3つの理由 」。ITMediaビジネスの記事です。気になったので読んでみたのですが、正直言って浅すぎる。あまりにもひどいので、論理的に真っ向から反論させてもらおうと思います。

【佃社長による「やりがい搾取」】に対する反論

この記事の筆者も記事の中で説明している通り、「やりがい搾取」とは東京大学の本田由紀教授が唱えた概念で、経営者が社員に対して、「夢」や「やりがい」を強く意識させることで労働力を不当に利用するというものです。

筆者はこの部分を引き合いに出して、社長の夢にいつの間にか従業員全員がほだされているやりがい搾取である、と述べています。

しかし、この主張には本記事の筆者もご存知の「労働力を不当に」の部分が論じられていません。佃製作所の従業員は、労働力を不当に利用されたのでしょうか?

やりがい搾取には、労働力を不当に利用されることが必須条件です。ドラマの中でも、社長は従業員全員ときちんと話をし、従業員側も納得をして仕事に取り組んでいます。これのどこが不当に当たるのでしょうか?

私はそう思いませんし、ドラマを見たどの方もそのようなことは感じていないでしょう。もしこれがやりがい搾取になってしまうのであれば、新事業を立ち上げようとしている起業家や熱意のあるサラリーマンは全員やりがい搾取をしていることになってしまいます。

  • ロケットエンジンのバルブ開発
  • 人工心臓弁開発
  • 自動運転トラクターのトランスミッション開発

これらの夢を熱く語り、仲間を巻き込んでハートに火をつけ、同士として夢の実現のために邁進するのは、やりがい搾取ではなく、最も注目されている「巻き込み型リーダーシップ」の具現化された姿です。

経営学的に見て推奨すべきリーダーシップの形をやりがい搾取というのであれば、本記事の筆者はビジネスパーソンだけではなく、経営学の研究者全員に喧嘩を売っていることになります。

【長時間労働を強いる職場の同調圧力】に対する反論

この部分については、「定時で帰る社員に他の社員たちが文句を言う、というくだり」を引き合いに出して述べているようですが、この部分だけを切り取ると誤解を招きます。

「定時で帰っている社員」は、周囲に対してやる気を見せず、成果の可視化もせず、チームメンバーとの対話も行わない従業員です(それには理由があるのですがネタバレになるのでここでは割愛します)。そのような従業員が仕事が終わってないのに「定時だから」と帰ることに対して、周りは納得できるでしょうか?

働き方改革コンサルタントの立場から申し上げると、定時上がりをするには周囲の協力とチームワークが欠かせません。誰でもどの種類の仕事がこなせるように情報を共有し、また品質を高める努力をする必要があるのです。この社員はチームワークを自分から放棄していました。この時点で、定時上がりをする権利も放棄したことになります。

したがって、このことに関して「長時間労働を強いる職場の同調圧力」という主張は全く筋が通らなくなるのです。勉強不足かつ支離滅裂としか言いようがありません。

【とにかく気合いで乗り切る精神至上主義】に対する反論

筆者は記事の中で「現実の中小企業で、佃航平のような「根拠なき精神論」を振りかざしてもロクなことにはならない。経営者にとって最も必要な論理的思考、客観的な状況判断を阻(はば)んでしまうからだ。」と述べています。

しかしながら、コンサルタントの立場から言わせてもらいますが、佃社長のやりたいことには必ず根拠があります。

  • ロケット開発には、日本の宇宙開発を推し進めること
  • 人工心臓弁開発では、心臓病の子どもたちの命を救うこと
  • 自動運転トラクターのトランスミッション開発には、日本の農業を救うこと

きちんと筋が通った論理があり、ロジックが根底にあった上での精神論なのです。

「とにかく気合で乗り切る精神論」とは、「トレーニング中は水を飲むな」といった根拠のない根性論を言います。下町ロケットという作品、そして佃社長を始めとした登場人物の行動・言動には必ず根拠があるのです。根拠があった上での精神論だから、絶対に折れないのです。

堀江貴文さんも、「猿のように没頭できるものを探せ。それがあなたのやりたいことであり、それがあなたの仕事になるはずだ。」と著書の中で述べています。

やりたいことを根拠を持ってやるための精神論。これのどこが気合で乗り切る精神至上主義なのでしょうか?

本記事の内容は論理的に破綻しており、かつ経営学的に見ても考察が足りない。記事を書いてお金をもらうに値しないクズ文章と言っても過言ではないでしょう。

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