グロービス・クリティカルシンキングの先へ

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グロービスのクリティカルシンキングでMVPをいただいた話を以前書きました。

しかし、「思考する」ことは、なにもクリティカルシンキングだけにとどまりません。むしろ、考えた後が大事なんです。考えた後どうしますか?何も出力しなかったら考えなかったのと同じです。考えた後どうするかが大事なのです。

論理的に書く

たとえばビジネスメールや提案書など、仕事をしていくうえでは「論理的に書く」ことを常に求められます。

特に、お客様に提出する提案書や報告書の類は、渡した相手だけではなく、お客様の上層部にそのまま上がっていく可能性があります。そのため、「誰が読むか」をイシューに設定したうえでピラミッドストラクチャ―を作らないといけません。

加えて、論理的に書くには、「接続詞」が非常に重要になってきます。なぜなら、接続詞の前後で文章の流れが変わるからです。代表的な接続詞とその用法については以下の通りです。

  • 付加・・・「そして」「くわえて」など。前の文を受けて次の文へ同じような内容を展開する場合に利用する。
  • 理由・・・「なぜなら」「というのは」など。前の文(主に主張)の根拠を示すために利用する。
  • 例示・・・「たとえば」「具体的には」など。前の文で述べた内容をさらに掘り下げて具体例を示す場合に利用する。
  • 転換・・・「しかし」「だが」など。前の文を逆の主張をする場合に利用する。転換の接続詞の前後では文意が逆になっている。
  • 解説・・・「すなわち」「つまり」など。前の文を言い換えるなどして説明する場合に利用する。数学でいうと「=」と同じである。
  • 帰結・・・「だから」など。前の文をかいつまんで、あるいは要約して説明する場合に利用する。
  • 補足・・・「ただし」など。前の文を限定的に否定したり転換したりする場合に利用する。

接続詞の前後で文全体の主張の方向が変わっているのか、変わっていないのかに注意しましょう。

そして、何よりも大事なことは、「結論から書く」ことです。ピラミッドストラクチャ―でいうと、イシューに対する答えからズバッと書くこと。これが論理的に相手にしっかりとメッセージを伝えるための大原則です。

たとえば、以前お見せした以下のピラミッドストラクチャ―。

こちらを文章にすると以下のようになります。

私は日本は原発から撤退すべきであると考える。

その理由としておもに3点あげて以下に説明する。

一つ目は、原発が危険性をはらんだ発電施設だからである。
東日本大震災の時に発生した福島第一原発の事故は、「想定外」という言葉で片付けられてしまい、事故のリスクが回避できないことを世に示した。
また、事故が起きた際には広範囲にわたる放射能汚染など、大惨事を引き起こす。チェルノブイリ近郊に住む人々の発がん率が高いことなどからも放射能汚染の危険性は明らかである。

二つ目は、原発を使わなくても代替エネルギーがきちんと存在しているからである。
火力、風力そして地熱、加えて最近はメタンハイドレートなどを利用した有機燃料をもとにした発電なども期待されている。くわえて、燃料電池などになると原材料は水素であるため安価であり、調達コストがかからない。

三つめは、原発政策以外でもきちんと地方の雇用創出が可能だからである。
今まで日本は原発行政といわれるように原発を稼働させて近隣住民の雇用と税収を確保してきた。しかし、原発がなくても地方創生が叫ばれる現代において、Iターン補助金などで地方創生が促されることが期待できる。それに、トヨタをはじめとした大企業の地方工場が稼働を計画しているのである。

したがって、
①原発は潜在的な危険性をはらんでいる
②原発を使わなくても代替エネルギーが存在する
③原発でなくても地方創生は可能
という3点より、日本は原発から撤退すべきであると考える。

繋ぎに接続詞を使うことでリズムを整え、相手(私の場合は相手が国会議員の先生だと想定して書きました)にとって読みやすい文章になるように気を付けました。いかがでしょうか。

論理的に話す

次に、書く以外のアウトプットの方法としては「話す」があります。論理的に話すこと、これは書くこと以上に難しいです。なぜなら、人間は話を聞くときに、相手が発する話の内容よりも、相手の目線や表情、声の大きさ、ボディランゲージなどの話の内容以外の部分の方に目が向いてしまうという研究結果が出ているからです。

私は論理の専門家ですから、ここでは、あくまで話す内容が論理的か、どのように話せば論理的なのかについて考察してみたいと思います。

基本的には、論理的に「書く」のと同じように

  • 結論から話す
  • 枠組みに合わせた理由を話す

という点は変わりません。

付け加えるとすれば、話し手自身の経験談を入れるとよいでしょう。話し手が聴衆に向かって話をし、価値を提供するのは今この一瞬だけなのです。そこでは話して自身のオリジナリティも大きな付加価値になります。ですから、話の中で「たとえば、私の経験では・・・」という感じで具体的な体験談を入れてあげましょう。そうすることで話に深みと説得力が増し、聞き手の興味を引くことができます。

ぜひトライしてみてください。

クリティカルシンキングではピラミッドストラクチャ―を作ることがゴールになってしまいがちですが、そのあとにどのように「書いて」どのように「話したか」によって、アウトプットの品質と評価は決まってきます。この点をしっかり押さえておきましょう。

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