宇宙兄弟で学ぶ7つの習慣(序章)

投稿者: | 2020年10月2日

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キング・オブ・自己啓発である「7つの習慣」。ご存じの方も多いこの書籍(および教育プログラム)、現在書籍を用いた公式セミナーを受けております。で、気づいたんです。宇宙兄弟で得られる学びと共通点が非常に多いということに。ここでは何回かに分けて宇宙兄弟をつかって7つの習慣を紐解いていこうと思います。

インサイド・アウト

7つの習慣の本論に入る前に、前提としてしっかり目を通しておく序章があります。そして、ここだけで一日語れるぐらい多くの学びがあるのです。それを全部書いてしまうと「本読んだほうが早いやん」ということになるので、ここではエッセンスを2つに絞ってご説明します。1つ目が、「インサイド・アウト」です。

インサイド・アウト=内から外へ・・・一体なんぞ?というわけですが、一言で説明すると、「全ては自分の内面から始まる」ということです。

コヴィー博士の場合

著者のコヴィー博士は自分自身の経験として、息子さんが学校生活にうまく馴染めずに成績も振るわず、対人関係がうまく行かなかった時の例を挙げています。当初、博士夫婦は息子さんを励まし、やればできると褒め続け、叱咤激励したとのこと。しかし、博士たちの努力と反面に、息子さんと周囲の関係は一向に良くならなかったのです。努力した何もかもが失敗に終わってようやく、博士たちは一歩下がって違う視点から状況を見つめ直し始めたそうです。

そこで博士が気づいたのは、「自分たちの目に映る息子の姿」よりも「世間の目に映る息子の姿」の方が気になっていたという自身たちのものの見方でした。博士たち夫婦は深く話し合い、目を向ける対象を「自分自身のあり方」に向けたのです。

息子さんを変えようと外から圧力をかけるのではなく、息子さんへの見方を変え、彼自身の本質、独自性、一人の人間としての本来の価値を感じ取ろうと努力しました。そして辛抱強く待ちました。その結果、息子さんは徐々に自分らしさを芽生えさせ、数カ月後にはしっかりとした自信を持って自分を認めるようになり、学校の成績やスポーツ、人間関係が好転したとのこと。もちろん、ここに数行かいただけのことでは表現できないさまざまな葛藤や迷いが何度も会ったことでしょう。それでも息子さんを信じ、博士自身の心の奥底の声や真の想いに目を向けたのです。自分の本当の心の声に集中して耳を傾けることで、外から入ってくる余計な情報を遮断し、自分のほんとうの価値観や自分を形作る本質が見えてくるのです(本書では「原則」と呼んでいます)。

この自分の本質を理解できて初めて、自分自身のものの見方(パラダイム:後述)がわかり、自分自身を客観視することが出来るようになるのです。

宇宙兄弟の場合

さて、宇宙兄弟でもこのインサイド・アウトを見ることができます。

宇宙兄弟とは、小山宙哉さん作の現在も連載中の人気漫画です。

子どもの頃に、UFO(らしきもの)を目撃した南波兄弟は、月面を目指すことを誓い、JAXAに通うようになります。しかし大人になったとき、弟である日々人(ヒビト)は無事に宇宙飛行士になったものの、兄の六太(ムッタ)は自動車エンジニアになっていました。しかもその会社をクビになったところから物語が始まります。さまざまな紆余曲折を経て、30歳を過ぎてからふたたび宇宙を目指し始めたムッタの青春時代のような激動の生活が、丁寧な心理描写と気の利いたセリフで描かれていて、とてもわくわくする作品です。

この作品の中では、主人公のムッタだけでなく、多くの登場人物の成長物語が描かれています。その中でも名言として多くの人が挙げるのが

「俺の敵はだいたい俺です」

という言葉です(第11巻)。

ムッタが宇宙飛行士としての訓練期間中、先輩宇宙飛行士のヴィンセント・ボールドと酒を酌み交わすシーンで発せられた言葉です。

  • ヴィンス:「ミスターナンバ、君にとっての敵は誰ですか?私にとってはマスコミや天文学者が敵です。人が宇宙に行ってこその宇宙開発だと私は信じています。それを邪魔する者は、みな敵です」
  • ムッタ:「衛星やロボットの開発者も、技術者も、天文学者も科学者も、それから、宇宙飛行士も。みんな宇宙が好きでやってる人々だから、いいんじゃないすかね、”仲間”ってことで」
  • ヴィンス:「・・・じゃあ君には敵はいないと・・・?」
  • ムッタ:「いや・・・いないというか・・・」
    「俺の敵は、だいたい俺です」「自分の”宇宙へ行きたい”っていう夢をさんざん邪魔して足を引っ張り続けたのは、結局俺でした。他に敵はいません

物語の始まり、ムッタは自動車メーカーに勤めていました。先に宇宙飛行士になる夢を叶えた弟の日々人から「諦めきれるなら、そんなの夢じゃねぇ」ときつい言葉をかけられながら、自分に言い訳をしながら生きていました。

そんな自慢の弟をバカにした会社の上司に頭突きを食らわせて会社をクビになるところから、宇宙飛行士への道がひらけていくわけですが・・・。

「俺の敵は、だいたい俺です」

この言葉は、自分のほんとうの心に嘘をついて生きてきた自分に対する素直な気持ちの発露なのでしょう。そして、自分の奥底に目を向け、自分の内側の奥底から発せられた言葉こそ、ムッタの持つ「原則」であり、この姿勢がインサイド・アウトなのです。

パラダイムシフト

2つ目のエッセンスが、「パラダイムシフト」です。

パラダイムとは、書籍の中では「自分の頭の中にある地図、思い込み」と書いてありますが、私はわかりやすく「色めがね」と言い換えて覚えるようにしています。人間は生きているうちに多くの経験をします。その経験の影響を受けて、物の見方もその経験の影響を少なからず受けます。どんなに「自分は客観的に見ている」と思っていても、なんらかの影響を受けているのです。

物事を見るときには必ず「色のついためがね」を通して見ている、と理解することから、「パラダイム=色めがね」と解釈しているのです。

で、このパラダイムを「シフト」させるとはどういうことなのか?

コヴィー博士の場合

書籍の中では、コヴィー博士の経験談として、ニューヨークの地下鉄の中での出来事が記されています。

乗客全員が静かにしていた地下鉄に、一人の男性が子どもたちを連れて乗り込んできました。子どもたちは大声で騒ぎ出し、物を投げ、他の乗客への迷惑など顧みないありさま。しかし子供を連れてきた男性はコヴィー博士の隣りに座ってじっと目を閉じたまま何もしようとしませんでした。

さて、みなさんがコヴィー博士の立場だったらどう思うでしょうか?注意をするかどうかは別にして、当然のように苛立つでしょう。

コヴィー博士も同じように抑えられないいらだちを最大限抑えて、子どもたちを静かにさせてもらえないかと紳士的に忠告したとのこと。

しかし次の男性の一言で、頭をハンマーで殴られたような衝撃が全身を走り抜けます。

「ああ、そうですね。どうにかしないといけませんね・・・病院の帰りなんです。一時間ほど前、あの子達の母親がなくなって・・・これからどうしたらいいのか・・・あの子たちも動揺しているのでしょう・・・」

コヴィー博士のパラダイム(色めがね)はあっという間にシフト(別のものに変化)したそうです。突然、子どもたちの様子が全く違って見え、考えも、感情も、行動も変化したそうです。

似たような経験をしたことがある方もいらっしゃるかも知れません。

私の個人的な話をすると、仕事で失敗をしたときに迷惑をかけた方に謝罪に行ったときのことです。当然苦言の2つや3つは覚悟していたのですが、その方は「よかったねー、お客様に出す前に見つかって。ほんとよかったよかった。」と全く気にしていない様子。私はそれまで仕事に失敗は許されず、多少時間がかかっても完璧なものを仕上げるべきという考え(仕事に対するパラダイム)でした。しかしその考えを180°ひっくり返された気分でした。そこからものすごく心が楽になったのを覚えています。それからというもの、お客様に出す時点で品質を担保するために、なるべく早く失敗して改善策を講じてより良いもの・より良いサービスを作っていこうという考えにパラダイムがシフトしました。

宇宙兄弟の場合

さて、パラダイムシフトは実は宇宙兄弟の中で数多く登場します。登場人物それぞれの物語の中で、彼らのものの見方がガラッと変わる瞬間を味わうことが出来るのです。

その中でも、私が「コレこそパラダイムシフトだな」と感じたのは、先に挙げた宇宙飛行士ヴィンセント・ボールドの幼馴染で宇宙からの帰還船の設計プロジェクトリーダーをやっているピコ・ノートンの言葉です。

「宇宙飛行士が6人もいて一人も考えなかったのか?”キャンサットが本物の宇宙船だったとしたら”って」

ムッタたちは訓練の一環としてキャンサット(空き缶サイズの超小型衛星やそのための地上用実験機器)の打ち上げ大会に参加することになりました。ロケットを打ち上げ、空中で放出されたキャンサットをパラシュートで着陸させ、ローバーを起動させゴールフラッグを目指して走らせるタイムを競う大会です。

この訓練には、飛行士候補生のチームごとに一人ずつ技術者がアシスタントとしてつくことになったのですが、それまでの訓練の成績順で技術者を選べるようになっていたため、成績が悪かったムッタたちのチームは、一番やる気のないピコとやる羽目になります。

ピコは昼から酒を飲み、ムッタたちの取り組みには手を貸そうとしません。しかし、ムッタの「本気の失敗には価値がある」という言葉に感化され、手を貸すようになります。もともと帰還船の設計プロジェクトリーダー、腕は確かです。その彼が言った心構えとしての言葉です。

確かに、取り組んでいるのは「訓練」であり、キャンサットの打ち上げ大会なのですが、このピコの言葉以降、ムッタたちの言動が変わります。

キャンサットに名前をつけ、レゴブロックの人形を宇宙飛行士に見立てて搭乗させ、パラシュートが開かなかったら、重大事故につながるという自覚を持つようになったのです。

飛行士になるための訓練というパラダイムから、本当に飛行士を無事に帰還させるためのプロジェクトというパラダイムにシフトしたんですね。その証が次の言葉です。

「しっかり覚えておいてくれよ、俺らの顔を。いずれあんたの手掛けた帰還船で地球に帰ってくる宇宙飛行士だからな。」

パラダイムがシフトしたことによって宇宙飛行士としての自覚と覚悟が芽生えた瞬間です。

いいかがでしたか?

7つの習慣の本書には、インサイドアウトの根底にある「原則」や「人格」といった概念も出てきますが、これらは読み勧めていく中で更に理解が深まっていくものであり、その見方をしっかりと認識することがパラダイムを認識することにほかならないのだ、と私は解釈しています。

次回は第1の習慣を宇宙兄弟を使って読み解いていきたいと思います。

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