ビジネス書籍評〜ニューエリート〜

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2017年から2018年にかけて、世の中にはUnder30の実業家が目立つようになってきました。元Googleのピョートルさんは、現在の環境に適応して高い価値を出し続ける人材を、書籍の中でニューエリートと読んでいます。ではニューエリートとは具体的にどのような人材像をいうのでしょうか。

今までの価値観が全く通用しない時代が来ている

1992年頃にインターネットが普及をし始めて早30年弱、情報量は爆発的に増え、検索をすればどんな情報も手に入るようになりました。総務省によると、平成3年から平成13年の10年間だけで情報量は530倍に膨れ上がっています。

総務省:経済センサスより抜粋(平成18年度版)

そして現在はそこからさらに13年後の平成31年です。上のグラフを見てもわかるとおり、情報量は指数関数的に増えています。時間が大体当時から見て2倍程度だと考えると、平成8年に比べて現在の情報量は10,000倍近くになっている可能性が高いと考えてよいでしょう。

わかりやすく言うと、30年近く前は、何か探したい1つのことがあったら、それが1つだけ置いてあって他になにもない部屋に行けばすぐに見つけることができたのです。それが今は、その部屋の中に似たような偽物が10,000個近く散らばっているのです。その中から探したい1つのものを探し出さなければいけない、そういう時代になっているということです。

膨大な情報の中には今までの常識を覆すような概念や技術も多く含まれています。たとえば、仮想通貨バブルをもたらし、組織感取引のセキュリティを高めてコストを最小化できるブロックチェーン然り、すでに企業で利用が始まっているAIや猛スピードで研究が進む自動運転技術などです。これらの情報は日進月歩、あっという間に新しい情報に書き換わり、アップデートを繰り返します。さらにそこに全く別の情報がつながって新しい概念を次々に生み出します。もういままでの常識は全く通用しません。むしろ今までの非常識が常識に変わり、常識が非常識に変わり、アップデートを繰り返していく、そんな時代になっているのです。

決断の速さがすべてを決める

では、このような情報の大海原が目の前に広がり、しかも荒れ狂っているような状況の中で私達はどのように生きていけばよいのでしょうか?はっきり申し上げて私にもわかりません。しかし、決断が速ければ速いほどよい、というのは言えるでしょう。なぜならば、ほとんどの人は情報の海に溺れて意思決定ができなくなってしまうからです。「決断できること」自体が他の人との差別化要因であり、強みになってくると考えられます。

情報量は多いほどよいように思われがちですが、情報量が多すぎて生活者は自分では判断が下せなくなってきています。情報量は今後ますます増えますから、この傾向はもっともっと強くなり、ますます「決めることができない人たち」が増えていくと考えられます。そうなれば、ますます「決めることができる」ことに高い価値がつくことになります。しかも、情報量が多いということは失敗のリカバリ策もそのへんに転がっているということになります。すぐに決めてすぐに動いてすぐに失敗してすぐに修正することができる人、即断即決即動即変とでもいいましょうか、そのような人がこれから主役になっていくでしょうし、そのような人材を目指して私達も変わらないといけません。

新市場創造こそが最強の競争戦略

本書の中で筆者は以下のように述べています。

これからの働き方のステージは、クリエイティブエコノミーです。 そしてこの時代に生き残る人材や企業は、ゼロから新しい価値を生み出す人々であり、彼らに求められるのは、情熱、創造性、率先です。

日本人はイチを100や1000にするのは得意ですが、ゼロからイチを作り出すのが苦手です。高度成長、バブル景気、そして失われた30年。この長い期間の間、日本企業の中で自ら新しい価値を世の中に提供したのは、トヨタぐらいではないでしょうか。トヨタと言えばカイゼンや生産方式にばかり目が行きがちですが、プリウスでハイブリッドカーという新市場を作り出したことや、レクサスでクラウンとは別の富裕層の新規開拓を行ったことを考えれば、ゼロからイチを作ることも得意な企業であると言えます。

荒れ狂う情報の荒波をかいくぐり、即断即決即動即変で行動を起こせば、日本企業でもゼロから新しい価値を作り出すことはできるという証左ではないでしょうか。

そして、最も成長している企業は、新しい業界を作り、競争がない市場でナンバーワンになっていきます。つまり、新事業ではなく、新市場創造こそが最強の競争戦略となるのです。

最も重要なのは巧さよりも熱さ

新市場を創り出していくのは非常に苦しいプロセスです。何しろ「売れるかどうか全くわからない」モノやサービスを世に出さねばならず、さらに全てが新規顧客です。

たとえば、今は飲み会の前後に飲むものとして不動の地位を築いているハウス食品の「ウコンの力」。この商品が発売されたのは2004年、今から15年前です。ハウス食品出身の友人曰く、最初は全く売れなかったそうです。そりゃそうです、ウコンという言葉すら馴染みがなく、また知っていたとしても漢方薬のイメージが強かったため、薬のような味をイメージされて敬遠されたのは容易に想像できます。しかし、売れなくてもいつか売れるはずと信じて販売を続け、徐々に売上が上がり、数年がかりでようやくヒット商品になったわけですね。

ここから読み取れるのは、新市場を創り出すには、戦略、マーケティング、生産技術全ての歯車が噛み合うだけではダメで、それらを全て凌駕し、信じ続ける「熱さ」が必要であるということです。

熱さを培うには、修羅場をくぐり抜ける他に手はありません。「迷ったときには困難な方を選べ」とよく言われますが、まさしくこれを体現し続ける事が重要です。

そして最後に、筆者はこのようなことも述べています。

会社に合わせて生きるくらいなら、 社外に道をみいだそう。要は、会社が決めた規格に合わなかっただけ。会社に合わせて生きるくらいなら、自分で新しい道を切り開くべきだ。

修羅場が会社の中にないのだとしたら、思い切ってフィールドを変えてみましょう。新しい世界に身を投じる事によって出ないと見えないものはたくさんあります。私自身、すでに4社目ですが、会社を変わるたびに成長できているという実感はあります(まだまだ未熟者ですし、ニューエリートである若い人たちには足元にも及びませんが)。

世の中の変化のスピードはさらに速くなり、情報量はこれからも爆発的に増えていきます。それらに合わせて私達の働き方、生き方もアップデートしていかなければいけないのです。

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